質問レス/コメントレス 過去ログ(2013年)


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(2013/12/23 chemicalsさん投稿)
以前はありがとうございました。厚かましい質問でしたが、丁寧に答えてくださって、とても嬉しかったです!
僕は求核置換反応の反応速度の研究をやってみたいと思います!


<回答> 2013/12/31

chemicalsさん、こんにちは。

いえいえ、こんなことならお安いご用です。

求核置換反応の反応速度は、基質を変えたり溶媒を変えたりすると非常に面白い結果が得られるはずなので、ぜひやってみてください!

何か面白いことがわかったらこっそり教えてください 笑。

頑張ってください!







(2013/12/13 chemieYさん投稿)
正統派のchem siteですね。
発見できてうれしく思います。まだチラっと見ただけですのでこれから楽しく閲覧してみたいと思います。
ps.Vollhardt教授の教科書を参照に挙げていただきありがとうございます。恩師にかわりお礼申し上げます。


<回答> 2013/12/31

chemieYさん初めまして。

おおお・・・Vollhardt先生のお弟子さんなのですか・・・ご感想頂き恐縮です。

これからも拙web siteを正統派で面白い化学サイトとして発展させていこうと思います。

ありがとうございます!







(2013/11/28 エレメントさん投稿)
蛍石に濃硫酸を加えて加熱してフッ化水素と硫酸カルシウムができます。
この反応について質問です。工業的製法です。なぜ濃硫酸なのか希硫酸だったらなぜいけないのか。硫酸カルシウムの沈殿が反応を妨げたりはしないのか。です。

予想しました。
希硫酸でもいけるはずです。反応だけ見ればですが。
なぜかというと、希硫酸→水がたくさん→水を少なくしようと平衡が働く→その方向の反応が盛んに進む!!?
となれば、説明できないこともありません。
めっちゃ高温で蛍石と水蒸気が反応すると酸化カルシウムとフッ化水素が生成。この反応は水が多ければ(水蒸気)フッ化水素いっぱい発生します気がします。あともうひと反応。
フッ素と水の反応です。フッ素と水が反応すると酸素とフッ化水素が生成。これも水が多ければフッ化水素の生成する向きに進みやすくなる気がします。あってますか?
なんか致命的なミスをしていてそうで怖いので聞かせてもらいました。たぶん反応と反応を1つの平衡で繋げて良いのかとか曖昧なのでしっかり裁いてほしいところです。
濃硫酸を使うのはなんでしょうかね?不揮発性の度合いでもあるんでしょうか?そもそも加熱と濃硫酸とのタッグがあったりするんですか?(笑)
あと、加熱と弱酸の遊離反応(今回の反応)とか。すいません、今回の反応で加熱が要る理由を教えてください。
加熱なしでは十分なエネルギーが補償されないわけですよね。あと加熱したほうが揮発性の酸が出ていきやすいっていうイメージがあるんですが、あってるんでしょか?
期待してます!


<回答> 2013/12/31

エレメントさんお久しぶりです。

いくつか"致命的なミス"をしておられるようなので訂正させて頂きますよ(笑)

まず反応は

CaF2 + 2H+ → Ca2+ + 2HF

です。

酸化カルシウムや水やフッ素は関係ありません。
(よってその平衡を考える必要はありません。)


結論から言うと、高純度なフッ化水素の製造は濃硫酸が非常に効果的です。

酸として濃硫酸を使って加熱した場合;

CaF2 + H2SO4 → CaSO4 + 2HF↑

という反応が起こります。

硫酸は不揮発性ですが、フッ化水素は揮発性の酸なので加熱するとHFガスが生じ、これを集めれば高純度なフッ化水素が得られます。

「塩化ナトリウム + 熱濃硫酸 → 塩化水素」って反応と同じです。

一方、もし希硫酸を使うと、加熱した際水蒸気が生じるので水の混じったフッ化水素しか得られないでしょう。

ただし、確かに硫酸カルシウムは不溶性なので工業的にも非常に厄介らしいです。

そこで他の酸を使う方法も試されているようですが、例えば塩酸を使うとHClガスが揮発してしまうので、HCl混じりのフッ化水素が得られてしまいます。

このような結果、一番簡単に高純度なフッ化水素を得るためには酸として不揮発性の濃硫酸を使うのがベストということみたいです。


濃硫酸と加熱のタッグというのは大きく分けて二種類あります。

ひとつ目がこのように酸として使う場合で、加熱すると揮発性のガスを遊離することができます。

ふたつ目が酸化剤としての利用です。


っという感じです。







(2013/11/12 芦實さん投稿)
拍手コメント;『今日の器具No.7 :ビュレット』
先日はありがとうございました。
ビュレットと言えば私もほろ苦い経験があります・・・高1の時に中和滴定で使ったんですがねぇ・・・
コック壊れててNaOHダダ漏れしてフェノールフタレインが真っ赤っ赤になっちゃいました。
担当に文句付けて新しいやつで実験しましたが(結局クラスで一番精度がよかったのはいい思い出)。


<回答> 2013/11/25

芦實さん、こんにちは。

ビュレットあるあるですね。カラムでもよくあることです。

滴定は丁寧さと慣れですね。

慣れれば速く、かつ正確にできるようになります。

ちなみに私は超苦手(笑)







(2013/11/12 chemicalsさん投稿)
拍手コメント;『ベンゼンのクロロ化〜芳香族求電子置換反応〜』
いつも楽しんでみています。
僕は有機化学が好きで化学部に所属しているのですが、面白い研究テーマがなかなか見つからず、悩んでいます。
なにか面白い研究テーマなど、教えて頂ければ幸いです。


<回答> 2013/11/25

chemicalsさん、初めまして。

面白い研究テーマは世の中にいくらでもありますが、中学や高校の予算・設備でできることはなかなか少ないことが現実です。

特に有機合成は触媒(パラジウムや白金など)にお金がかかったりするので大変。

有害物質・危険物質も多々。

真空ラインやドライ溶媒がなければ禁酸素反応や禁水反応も難しい。

カラムクロマトグラフィーやエバポレーターがなければ生成物の分離が難しく、NMRや吸光光度計がなければ同定も難しい。

でもがいくつかできそうなネタを考えましたので、ご参考に。


1. 求核置換反応の反応速度(オススメ!)

例えば

CH3OH + HBr → CH3Br + H2O

Ph3COH + HBr → Ph3CBr + H2O

という非常によく似た置換反応がありますが、この2つは異なるメカニズムで反応します。

それに伴い、反応速度の式も異なります。

同じような基質を反応させて、反応速度が理論式に合うか、その速度定数はどうか、調べてみると面白いかもしれません。

溶媒を変えたときの反応速度の応答も異なります。

逆に、反応速度式を決定することで、どんな反応機構で反応しているかわかります。

反応速度は残ったHBrの中和滴定で求まります。


2. アルドール縮合

カルボニル化合物を塩基性水溶液中で処理するとアルドール縮合が起こります。

空気や(もちろん)水があっても大丈夫で、ぬるま湯程度の温度で反応が進むのでオススメ。

特にアセトンと2分子のベンズアルデヒドを反応させると交差アルドール縮合が起こり、ジベンザルアセトンが生じます。

他にも色んなカルボニル化合物を自己縮合させたり交差縮合させることができます。

が、自己縮合ができるものやできないもの、交差縮合が難しいものや簡単なものがあります。

文献で調べてみて、また実際に実験して比較すると面白いかもしれません。


3. パラジウム触媒クロスカップリング

パラジウム錯体はノーベル賞の鈴木-宮浦クロスカップリング等に用いられます。

「1」で作るジベンザルアセトンを塩化パラジウムと反応させるとパラジウム触媒になるPd(dba)2が得られます。

さらにこれを使って色んなクロスカップリング反応をしてみると面白いかもしれません。

が、酸素にあまり強くないこととパラジウムが高価なことから難しいかもしれません。


等など。

面白そうなものがあれば、言ってもらえれば相談に乗りますよ〜。







(2013/11/06 ぼておさん投稿)
拍手コメント;『臨界ミセル濃度とは?―洗剤はケチってはいけない!―』
とても分かりやすいです。 教師になれるように頑張ってください!


<回答> 2013/11/25

ぼておさん、初めまして。

お褒め頂き有難うございます!

現在、大学教員目指して日々研究に明け暮れています。

がんばります!







(2013/11/05 えるさん投稿)
拍手コメント;『意外な塩化アルミニウム』
いつも拝見させていただいています。
トピックスの選択がとても秀逸で、わかりやすく、 興味深く読ませていただきました。
また、期待しております。


<回答> 2013/11/25

えるさん、初めまして。

お褒め頂き光栄です。

こういう系の記事は「知識の隙間や疑問を絶妙に突く」をモットーに考えております。

どうもこの記事は比較的その理想に近かったようで反響も大きく、やはりこういう記事に需用があるんだなと再確認できました。

これからも面白い記事が書けるよう精進いたします。







(2013/11/04 [無記入]さん投稿)
拍手コメント;『意外な塩化アルミニウム』
中学生ですがいつも読ませていただいています。
僕は、化学が好きなので高校化学の参考書を買って独学で勉強したりしていますが、このブログはとても面白くて教科書や参考書には載っていない裏情報?を知ることができます。
いつもありがとうございます。 次の更新も楽しみにしています。


<回答> 2013/11/25

[無記入]さん、初めまして。

お褒め頂き有難う御座います!

まさに「教科書に載ってない裏情報」を狙って記事書いてます。

なのでそれが伝わっているようなので良かったです!


私も中学生の頃から化学が大好きで高校の参考書や大学の教科書を読んでました。

大好きな化学の勉強頑張ってください!







(2013/11/01 エレメントさん投稿)
(1)この間はありがとうございました。最近のなやみはビスマスについてです。
このブログでも詳しく取り上げられてましたね。
ビスマスが最強の反磁性をもつと聞いたのですがどういったアプローチで理解に至れるか全くわかりません。
よければたすけてください( ̄▽ ̄;)

(2)有効核電荷や電子同士の反発を考えてたりしたら希ガスがどうなってるのかわかりません。
そもそも希ガスに大きさを求めるのが間違いなんですか?
原子だから大きさあると思います。
ほんと質問ばっかですいません。

(3)混成軌道というのがどうしてもまだわかりません。
ただ同級生には聞けないし助けてください。
混成軌道というのはあくまで人が理解を深めるために作り出した想定ですか?
ただ混成軌道をもとに実際の分子の形が決定されたりもしますよね?
その流れもつかめずに困っています。
化学の基礎固めをしようとしてます。
混成軌道を理解するにはまず波動関数を知るべきなのですか?
無知ですいませゆ。


<回答> 2013/11/04

エレメントさん、こんにちは。

(1)ビスマス

反磁性の原因はいくつかありますが、ビスマスの強い反磁性の主たる原因はランダウ反磁性です。

ランダウ反磁性の磁化率χLの大きさは、

χL = -(m/m*)2χp/3

となります。(反磁性なので負に大きいほど強い。)

ここでmは電子の質量、m*は電子の有効質量、χpはパウリ常磁性の磁化率です。

重要なのは理想の自由電子系と現実の差(比)を表す有効質量比m/m*です。

構造が単純で、電子が少ないナトリウムなんかは理想形に近く、m/m*≒1です。

なのでランダウ反磁性の大きさは

χL = -0.3χp

となります。

しかし金や水銀、ビスマス等たくさんの電子を持つ重い原子の場合、電子は非常に「軽く」なります。

条件や結晶中の「場所」(ブリルアンゾーン中の逆格子点)にもよりますが、ビスマスの場合m* = 0.003 mとかになるみたいです。

すなわちm/m* = 300

ランダウ反磁性には二乗で効いてくるので、

χL = -40000χp

となります。

従ってビスマスはナトリウムなんかの軽い元素とは比べ物にならないほど強い反磁性を示すのです。


(2)希ガスの大きさ

原子半径は主に3つの評価の仕方があります。

1. 結晶中の原子間距離を求め、2で割る。

2. 酸素分子など、単体分子の原子間距離を求めて2で割る。

3. ファンデルワールス排除体積から求める。

希ガスの場合は3番の方法で簡単に求めることができます。

理想気体の状態方程式はPV=nRTですが、非理想気体の状態方程式としてファンデルワールスの状態方程式というものがあります。

(P + a/V2)(V - b) = RT

理想気体の状態方程式と非常によく似ていますが、2つの補正定数aとbがあります。

aは分子間力、bは分子の大きさを表す定数です。

理想気体の時に無視していた因子ですね。

このbは気体分子1molの排除体積を表します。(単位はL/mol)

例えばアルゴンの原子半径を求めたいとします。

実際にアルゴンの気体を持ってきて、P、V、Tを変化させて実測値を得、bを算出します。

ちなみにアルゴンの場合b = 0.032 L/molになります。
(測定条件などによって多少変わります。)

bは原子半径をrとすると

b = 4NA(4/3)πr3

と表されます。

4がかかっているのはbが二分子からなる範囲だから(作図すればわかります)で、NAがかかっているのはmolを分子1個に直すためです。

これで計算すると、アルゴンの場合 r = 2.1 Å になります。

他にも、冷却して結晶化させて原子間距離から求める方法もあります。


(3)混成軌道

混成軌道うんぬんのあたりの議論は結構まだバトルが続いているところです。

☆ σ結合とπ結合を区別せずに二重結合や三重結合を理解する「曲がった結合」理論など。

ですが、炭素がsp3、sp2、sp・・・なんてとこは混成軌道が実際にあるといってよいと思います。

なぜなら例えばメタンの炭素の場合、本来1つのs軌道と3つのp軌道で2種類の非等価な結合ができるはずですが、明らかに一種類の等価な結合しかありません。

そういう点でs軌道とp軌道の混成というものは実際に起きていると考えて良さそうです。

しかし重原子になってくると混成軌道の理論が使えなくなってくるは事実。

なぜならs軌道とp軌道、d軌道のエネルギー差が大きくなってきて、混成できなくなってくるからです。

たとえばN→P→As・・・と原子が大きくなっていくと、結合角がどんどん90度に近づいていって混成しているとはいえなくなってきます。

ビスマスにいたってはほぼ完全に原子軌道のまま結合しています。

このように混成軌道の適応範囲の問題はありますが(定量的にも微妙)、軽元素の場合はs軌道やp軌道が実際に混成していると考えてよいと思います。


混成軌道や分子の形について詳しく知りたいならば、まず波動関数について勉強しないといけません。

で、波動関数から原子軌道がなんたるかを導きます。

次に、単純な2つの原子の原子軌道が重なりを持つと一対の結合性軌道と反結合性軌道、すなわち分子軌道が形成されることを学びます。

一方、最外殻にs軌道やp軌道を持つ原子の場合、エネルギー的に近い位置にある原子軌道同士は混成して等価になるということを知ります。

これから、ある個数の原子からなる分子を作るときに、結合しやすいように様々な混成のパターンをとりσ結合やπ結合を形成することを学びます。

結果として、ある形の分子が形成される。

・・・という風に順序だてて勉強していくといいと思います。

詳しく書くと本一冊分になってしまうので、専門書を買って読んでみると良いと思います。

でもちょっと古い無機化学の教科書なんかではウソが書いてあるので、物理化学や量子化学の本を読むのがいいと思います。

原子軌道や基本の基本を学びたいならバーロー物理化学の下巻(分厚くて難しい)など、原子軌道や分子軌道について易しく学びたいなら実践量子化学入門(文庫本サイズ)などがオススメです。


混成軌道は絶対に知っておかなければならない現象・理論。

ですが私の意見としては、今や分子の電子状態(形・結合距離・結合角度)を知ろうとするには定量性のないそれは不十分すぎて、細かいことを知ろうとしたらDFT計算とかMP計算かけて実際に電子密度分布を計算するしかないと思ってます。






(2013/10/16,25,25,25 akogarehagaussさん投稿)
拍手コメント;『ここに原子・分子はいくつある?』
お話の展開がおじょうずですね(^o^)/

拍手コメント;『熱化学方程式解法(”熱代入法”)』
お見事。難かしい表現を使わず、簡潔で分かり易いです。これなら高校生にも納得してもらえます。

拍手コメント;『Fischerのエステル合成法』
私は家庭教師で高校生や浪人生に数学、物理、化学、英語、現代文、古典、漢文を教えています。
数学科の卒業ですが、受験生のときから化学が苦手で、家庭教師業をするようになってからは日々勉強しております。
先日、一人の高校性から、ずばり、酸触媒ならなぜ塩酸じゃあ駄目なんですか?と聞かれて適切に答えられませんでした。
この記事を見せます。ありがとうございます。

拍手コメント;『臨界ミセル濃度とは?―洗剤はケチってはいけない!―』
こんどから用量をまもります。

<回答> 2013/10/27

akogarehagaussさん、お久しぶりです。


> お話の展開がおじょうずですね(^o^)/

ありがとうございます。

もっともっと話の展開をスムーズにして、わかりやすく、面白い記事作りに精進いたします!


> お見事。難かしい表現を使わず、簡潔で分かり易いです。これなら高校生にも納得してもらえます。

熱化学方程式は解法がややこしく、高校化学で多くの方がつまづくところです。

式の本質を理解することが大切ですね。


> 私は家庭教師で高校生や浪人生に...

塩酸は水だらけなので平衡的に反応が進みません。

一方濃硫酸は副生する水をその水和力でトラップしてくれて平衡反応が進む進む!

ってやつですね。

高校の教科書には載ってませんが超大切なことです。

ぜひ、このような化学(科学)のエッセンスを教えてあげてください。

お役に立てたなら光栄です。


> こんどから用量を守ります。

このように化学の知識は日常生活でも役立ちます。

逆に、知識がないと損することも。

しっかり勉強して知識をつけることは大切ですね。






(2013/10/18 エレメントさん投稿)
混成軌道についてです。
五塩化リンのように昇位して3d軌道にいくことありますよね!?
でも基底状態では3d軌道よりも4s軌道のほうがエネルギー準位は低い気がするのですが昇位させると無関係!!?


<回答> 2013/10/27

エレメントさん、初めまして。

昔の教科書にはそのようにd軌道を使って結合するとされていますが、現在はそう考えられてはいません。

なぜならおっしゃる通りd軌道はエネルギーが高すぎて結合には使えないからです。

量子化学計算でもそれが示唆されています。

現在はs軌道とp軌道だけを使ったモデル(sp2混成+三中心四電子結合)が考えられています。

下図のようにs、px、py軌道(1電子ずつ持つ)がsp2混成を作り、エカトリアルの平面三角形を形作り、ローンペアであるpz軌道がアキシャルに立ちます。

sp2混成の3つの軌道は普通に3つの塩素と結合します。

残る2つの塩素はsp2平面に対して上下に立っているpz軌道と三中心四電子結合(Three-center four-electron bond:3c-4e)を作ります。



・・・ということです。

今までの説明は実はそもそも間違ってたってことですね。

でも上記理論もいつ覆されるかわかりません。

理系学問はこういうとこが面白いですね!







(2013/10/15 化るさん投稿)
拍手コメント;『今日の器具No.7 :ビュレット』
「今日の器具」をいつも楽しく見ています。 僕は化学部に所属していて実験もしているのですが、なかなか器具の扱いになれません。
「今日の器具」では器具の使い方や豆知識を図付きで説明していただいて、とても為になっています。
これからも、サイトの運営頑張ってください!


<回答> 2013/10/27

化るさん、初めまして。

実験器具は教科書の説明では簡単に使えそうに思えますが、実際に使ってみるとなかなかうまく使えないものです。

実験器具を使って使って使いまくったら精密かつ素早く操作できるようになります。

実践あるのみですね!

最近「今日の器具」書いてなかったので、ぼちぼち書き足していこうと思います。

応援ありがとうございます!






(2013/10/07 ゆりかさん投稿)
拍手コメント;『今日の分子No.16 :酢酸メチル』
詳しい説明ありがとうございます!実験ノートを書くのに役立ちました!


<回答> 2013/10/27

ゆりかさん、初めまして。

酢酸メチルは化学実験の初歩の初歩でよく出てくる物質ですね。

お役に立てたならよかったです。






(2013/10/03 芦實さん投稿)
友人にK3[Bi(S2O3)3](トリス(チオスルファト)ビスマス(?)酸カリウム??)って何?って訊かれたんですが、当然知るはずも無いので、「そんなのあるの?」とそのときは返したのですが、引っかかるので調べるにも情報が無く地味に困っております。
いったい何者で、どんな色で、どんな性質を持ってるのでしょうか?

PS どうでもいいのですが、SnS32-なるイオンがあるらしいのですが、何者でしょうか?


<回答> 2013/10/27

芦實さん、こんにちは。

無機錯体は私もあまり知らないので調べてみました。

K3[Bi(S2O3)3]は[Bi(S2O3)3]3-溶液にK+を加えた時に白色沈澱として生じるらしいです。(文献[1])

このようなトリス(チオスルファト)ビスマセート塩は硫化ビスマス化学種の原料となるようです。

例えば文献[2]では、[Bi(S2O3)3]3-種を*水熱プロセスで反応させ、半導体である硫化ビスマスBi2S3のナノロッドを合成しています。

[Bi(S2O3)3]3- → [BiS2]- → Bi2S3


SnS32-は、こちらもまた半導体である酸化スズ(IV)SnO2の合成原料になるようです。

例えば文献[3]では硫化スズ(IV)SnS2からSnS32-を合成し、それをこちらもまた水熱プロセスでSnO2のナノパーティクルを合成しています。

SnS2 + S2- → SnS32-

SnS32- + 2H2O → SnO2 + 2H2S + S2-


いや〜こんなマニアックな物質たちにもちゃんと使い道があるんですね!

*水熱プロセス:オートクレーブ等を用いて高温・高圧下で水と反応させる方法。合成や結晶成長に使える。


参考:
[1] 『Ionic Equilibria in Analytical Chemistry』, Jean-Louis Burgot著, Springer(2012)
[2] 『The Growth of Bismuth Sulfide Nanorods from Spherical-Shaped Amorphous Precursor Particles under Hydrothermal Condition』Amita Pathak et.al. JNP, 2013(← Open access誌なので誰でも読めます。)
[3] 『Evolution of SnO2 nanoparticles into 3D nanoflowers through crystal growth in aqueous solution and its optical propertie』, Y. Wang et.al. Mater. Chem. Phys, 2011







(2013/9/26 芦實さん投稿)
拍手コメント;『神の名を持つ元素たち』
プロメテウスの火は、深く考えさせられる話ですね。 そういえば明日で理研がUutのα崩壊系列を確認してから1年になりますね。


<回答> 2013/10/27

芦實さん、お久しぶりです。

プロメチウムの逸話はすごく考えさせられます。

他にも物質名で、裏に色々な意味を持っているものがあるかもしれませんね。

Uutはα崩壊系列の確認でまず間違いなく理研が命名権を得れそうですね!

楽しみです♪






(2013/8/15 こーりんさん投稿)
亜硫酸ナトリウムに希硫酸を加えて、二酸化硫黄を発生させる反応で、他の生成物として硫酸水素ナトリウムが生成する時と、硫酸ナトリウムが生成する時では何が違うのですか?


<回答> 2013/9/16

こーりんさん、こんにちわ。

これは亜硫酸ナトリウムと硫酸を1:1のモル比で反応させるか、1:2のモル比で反応させるかの違いです。

Na2SO3 + H2SO4 → SO2 + H2O + Na2SO4

Na2SO3 + 2H2SO4 → SO2 + H2O + 2NaHSO4

硫酸の第一段階目の酸解離の方が第二段階目の酸解離よりも強いので、過剰に硫酸が入っていると硫酸水素ナトリウムが生じてきます。

強い酸の塩ができやすいってやつですね。







(2013/8/30 アザンさん投稿)
拍手コメント;『農薬の殺虫機構とサリン』
>すると残るのはAChEとリン酸(の誘導体)とのエステル。 このエステル結合は強くて、前例の酢酸のように加水分解されてくれない。結果AChEは再生しない。
とありますが、何故リン酸エステルの結合は強いのでしょうか?リンは炭素より電気陰性度が低いので、正電荷が強く攻撃を受けやすそうに見えるのですが・・・ 立体構造的な理由ですかね。


<回答> 2013/9/16

アザンさん、初めまして。

これはなかなか面白い問題です。

反応論は専門ではないのであまり詳しくないのですが、実はカルボン酸エステルとリン酸(誘導体)エステルでは加水分解機構がそもそも大きく違うようです。

カルボン酸エステルではいわゆる付加脱離機構で、準安定な四面体中間体を経る反応経路です。




カルボン酸エステルの加水分解(中性条件)


この場合炭素はsp2からsp3になるだけなのでわけないですが、リンはそうはいきません。

リン酸エステルでは主に2つの機構があるらしいです。

ひとつが脱離付加機構(SN1型機構)で、反応性に富むメタリン酸が生じてから求核剤と反応する経路です。

今回のサリンの場合ではリン酸のプロトンがないのでこのパスではないでしょう。

もうひとつはSN2型の機構で、不安定な五配位型リンを経る反応経路です。

正確に言うとこの五配位型リンの状態は、カルボン酸エステルのときの四面体中間体のようにエネルギーが極小な"中間体"ではなく、エネルギー極大の"遷移状態"であるようです。

しかもおっしゃる通り、このときは立体障害が大きく反応性を下げてくるのでこちらも厳しそう。

このような理由で生体環境(pHほぼ中性)ではリン酸エステルのほうが加水分解を受けにくいのではないのでしょうか。




リン酸系化合物の2種類の置換反応


また、サリンは容易に水と反応してフッ化水素を脱離するらしいのでおそらくリンにとってFは非常に良い脱離基のようです。

だからサリンに対するAChEの求核攻撃は起こりやすくて、サリン-AChE縮合体への水の求核攻撃は起こりにくいのでしょうか。

なかなか興味深いですね。


参考: 有機合成化学第45巻第6号, JST(1987)







(2013/8/23 化学おばちゃんさん投稿)
拍手コメント;『地獄(大分県)の化合物』
昨年、久しぶりに地獄を回って、改めて海地獄、血の池地獄の色の正体は何か疑問でした。
案内板にもその答えはないし…。やっと長年の謎がとけすっきりしました。
阿蘇の火口湖の水の色が青いのもきっと二価の鉄イオンだよな〜と主人と話をしたものです。
子供は私たちの会話を聞いて、変わった夫婦の会話だと引いていましたけど(笑)
今日初めて読ませていただきました。これからも楽しみにしております。


<回答> 2013/8/16

化学おばちゃんさん、初めまして。

う〜ん!良い夫婦ですね!うらやましい!!

私もそんな話ができるようなお嫁さんがほしいです・・・


火山の周りは無機化合物の宝庫。

化学好きとしては要チェックなスポットです。

やっぱり色や匂いの原因物質って気になりますよね 笑


これからもよろしくお願いします。






(2013/8/13 かなまるさん投稿)
拍手コメント;『熱化学方程式解法(”熱代入法”)』
どうしても熱化学方程式が苦手だったので、とっても助かりました。 ノートの量も半分で済むし、なにより模試のときにも思い出すのが簡単ですよね。今度使ってみます。


<回答> 2013/8/14

かなまるさん、初めまして。

熱化学方程式は苦手な方が多いですよねえ。

何よりその煩雑な式と、無駄にややこしいパズル性。

が、この熱代入法ではどちらも大解決!

代入するだけ、かつ計算量が少ないから簡単・間違えない。

ノートの占有面積も減ってエコ!

機会があればぜひ使ってみてください〜。







(2013/8/12 ApricotMoaiさん投稿)
いつもTwitterで絡ませてもらっているApricotMoaiです。
夏が出番のあの物質、硝酸アンモニウムについて質問です。
瞬間冷却材は硝安と水の自発的冷却反応を利用したものですが、使用後の残りを植物の肥料として撒いても問題ありませんか?
チッ素が豊富そうなのでそのまま捨てるのはもったいないのですが・・・


<回答> 2013/8/12

もあいさん、こんにちは〜。

あっつい夏はコイツ、硝酸アンモニウムNH4NO3ですねえ。

硝酸アンモニウムは水と混合すると吸熱するため、インスタント寒剤として商品化されています。

これは単に硝酸アンモニウムが水に溶けただけなので、畑にまいても問題ありません。

というか、固体の硝酸アンモニウムを畑にまいても雨が降れば同じことです。

水に溶けたアンモニウムイオンと硝酸イオンを植物たちがおいしく頂いてくれるはずです。


さて「自発的反応」とあるが、なぜエンタルピー的に不利なこの吸熱反応が自発的に進むのか。

また、どれくらい涼しくなるのか。

確認含めてちょっと熱力学的に計算してみました。

各物質の標準生成エンタルピー僣f°及びエントロピーS°は次のようになっています。

NH4NO3NH4+(aq)+NO3-(aq)
f°(kJ/mol)-366-133-205
S°(kJ/mol・K)0.1510.1130.146

ゆえに、この反応のエンタルピー変化僣とエントロピー変化儡は

僣 = {-133+(-205)}-(-366) = 28 (kJ/mol) >0:吸熱
儡 = (0.146+0.113)-0.151 = 0.11 (kJ/mol・K) >0:エントロピー増大

従って自由エネルギー変化僭は

僭 = 僣-T儡 = (28 kJ/mol) - (300 K)×(0.11 kJ/mol・K) = -5 (kJ/mol)

です。(※ 活量係数考えずに簡単に計算してます。)

よって僭<0なのでこの反応は自発的に進みます。

というのも、吸熱の不安定化に対してエントロピーの得が大きいのがポイントです。

吸熱が28 kJ/molで比較的大きいのに、それに打ち勝てるエントロピー変化とはなかなか。
(Na+ならS°= 0.06 kJ/mol・Kしかない。)

ちなみに硝酸アンモニウムの溶解熱の実測値は35 kJ/molらしいので、まあまあ近い値。

35 kJ/molの吸熱ということは、1 mol、すなわち80 gの硝酸アンモニウムを1 Lの水に溶かせば約8℃下がる計算。

良いアイテムですなあ。







(2013/8/10 魔菜魅さん投稿)
拍手コメント;『塩素酸カリウム + グミ ⇒ 爆発的反応』
自由研究ですっげぇぇぇぇぇぇぇ 困ってました!!!!
すばらしいぃぃぃぃぃぃ ありたがやぁ〜


<回答> 2013/8/12

魔菜魅さん初めまして。

この反応は、まあ面白いですね(笑)

かわいいクマさんグミが・・・

とても危険なのでご家庭で実験はしないでくださいね^^;
(まあ危険物である塩素酸カリウムが手に入らないと思うけど。)

万全の準備で先生の指導のもと理科室でやれば、まあギリギリできるかどうかって反応ですね。

だいぶ危ないです。

どうしてこんなに激しく反応するのか、塩素酸カリウムはどんな構造で、なぜ反応性に富むのかをまとめれば良い研究レポートになると思いますよ!







(2013/7/8 竹村モモ子さん投稿)
拍手コメント;『オルト・メタ・パラ、そしてイプソ!』
助かりました。イプソ置換のことは知りませんでした。
仕事で人の報告を読んでいて分からなくて、検索して見つけました。
大変わかりやすい説明で助かりました。ありがとうございます。


<回答> 2013/8/12

竹村モモ子さん、はじめまして。

イプソ位置換は基本的な有機化学反応ではありますが、反応論や合成が専門でない方には少し聞きなれない反応かもしれません。

一見進みにくそうな反応ですが、条件そろえると案外行く反応で、私も合成で使ったことがあります。

わかりやすく記事が書けてたようで良かったです〜。







(2013/7/7 あーちゃんさん投稿)
拍手コメント;『【天然の】元素鉱物【単体】』
お久しぶりです!
地球惑星科学を専攻しておりますが、岩石の肉眼鑑定の授業でも「舐める」という方法が紹介されていました(笑)
先生曰く凝灰岩は舌に吸い付くらしいです。
あと別の記事のことですが、ベンゼンのダンスすごく可愛いです(*´∀`)ほっこりしてしまいました(笑)


<回答> 2013/8/12

あーちゃんさん、お久しぶりです。

やっぱり今でも基本は「舐める」なんですかw

凝灰岩は舌に吸い付く・・・面白い!

機会があったらこのネタ使わせてもらいます。(いつになるやらw)


ベンゼンのダンス、イイでしょう(笑)

振動なんて言う量子化学的事象は教科書で読むととても難しい書き方をされていますが、少し見方を変えると途端に親しみやすくなります。

そんな風に化学を身近に感じてもらえたならば光栄です。







(2013/7/3 Retro Krapchoさん投稿)
こんにちわ。
偶然このサイトを見つけました。
教科ごとに分かりやすく、かつ丁寧に解説している点が良いなと思いました。
自分もケムステみたいに化学サイト立ち上げようかな。
これからもちょくちょく見に来ますね!


<回答> 2013/7/6

Retro Krapchoさん、はじめまして!

お褒め頂き有難うございます。

ご感想、参考になります。


化学サイトをお作りになられたら、ぜひ教えてください!

相互リンクしましょう(^^)







(2013/6/22 akogarehagaussさん投稿)
拍手コメント;『エステル化 〜酸の頭が取れる!〜』
解り易い反応機構の説明を有難うございます。
今後,こういった説明が,高校化学の教科書や参考書にどんどん書かれるとよいな,と思いました。


<回答> 2013/6/30

akogarehagaussさん、こんにちは。

なぜそうなるか、を探ることが科学です。

少しでもいいから、ぜひ教科書にもこういう「なぜか」の説明がほしいところですね。

特にエステル化の機構は「プラスとマイナスが引き合う」ことが基本原理であることがよくわかり、「酸触媒」の意味も理解できるとても良い例です。

他にも色んな反応で反応機構が解明されているので、ぜひ調べてみて下さい。







(2013/6/15 akogarehagaussさん投稿)
拍手コメント;『アルカンの異性体の数を求める式』
ポリヤの公式とか群の指標を用いるとか,恐ろしく難しそうですね。
ところでChemisさんは博多周辺のご出身ですか??? 「なんしか」とおっしゃってましたね。


<回答> 2013/6/16

akogarehagaussさん、お久しぶりです♪

化学でも数学は必須です。

数学をうまく使うと見えてくる世界があったり。

最近特にそれを痛感してます・・・


「なんしか」って博多でも使うんですか?

バリバリの大阪人です。

調べてみると、一応大阪弁に分類されてるみたいです。

weblio:なんしかとは

う〜ん、方言って出ちゃうもんですねぇ。







(2013/5/26 こーりんさん投稿)
熱代入法は結合エネルギーの問題にも適用できますか?


<回答> 2013/6/16

こーりんさん、こんにちは。

問題にもよりますが、あんまり役に立たないかもしれません。

生成熱がメインになる問題じゃないと力を発揮できないので。

でもどの場合でも成り立つ法則ですので、色々試してみてください。







(2013/5/18 Johnnyさん投稿)
Dear chemis
I saw the products, 体心立方格子. 体心立方格子. NaCl型 and ダイヤモンド型, on the website.
http://homepage2.nifty.com/HARUDON/hitokoto/hitokoto06.htm
And I saw the similar products on your website.
Please tell me how to purchase the products in Japan. May I buy the products from your shop?


<回答> 2013/5/20

Dear Johnny

You looked at the crystal models of a body-centered cubic lattice or a face-centered cubic lattice, didn't you?

The products on my website are not what I bought.

I made them by myself.

They were made from plastic underlays and balls of styrene foam.

If there are these materials, paints, and a suitable cutter, you can also make them.


Unfortunately, I am not a dealer of the models.

If you would like to buy such models in Japan, please give "Meito science" an order.

Please input your contact and product numbers (CA-F2 and NA-CL93) into order form, and purchase them.

I am glad if this is help.

Chemis







(2013/5/17 バウバウさん投稿)
拍手コメント;『熱化学方程式解法(”熱代入法”)』
ありがとうございました! 今度からこの方法を使います。
燃焼熱のみ与えられている問題の場合はどうすればいいですか?


<回答> 2013/5/20

バウバウさん、初めまして。

拙記事を気に入ってもらえたようで、光栄です。


さて、燃焼熱のみ与えられている問題でも基本的に同じです。

例えばその記事の最初に出てきた「例題1」を見てみましょう。




例題1の条件式


条件式@、Aは二酸化炭素と水の生成熱を表す式であるわけですが、見方を変えると水素と炭素の燃焼熱を表す式です。

したがって、このタイプの問題なら燃焼熱であろうが他の反応であろうが、全く同じ方法で解けるわけです。

「とりあえず単体に0を代入して整理してみよう」ということです。

全ての問題に適応可能なわけではないですが、だいぶ適応範囲が広いので色々試してみて下さい♪







(2013/5/16 chemichemiさん投稿)
熱化学方程式の”熱代入法”なんですが、とてもわかりやすくて感動しました!
が、大学受験の際、マーク形式の試験ならば計算過程を問われることはないので大丈夫なんですが
記述形式の試験で記述したら×になりますかね・・・?
一応化学的に正しいとのことなので、「単体のエネルギーを基準0と定義し、標準生成エンタルピーを考えると・・・」
とか書いておけば大丈夫でしょうか?


<回答> 2013/5/20

chemichemiさん、初めまして。

お褒め頂き有難う御座います。


どうなんだろうと思って私の当時の「化学I」の教科書を見てみると・・・

『熱化学方程式の「化学式」はその物質1molが持つエネルギーを表す。』ということが明記されています。

そして熱化学方程式はエネルギーの式であることも明記されています。

したがって、「単体のエネルギーは0」という定義さえあれば「熱代入法」は使えることになります。

が、それは明記されていない。

しかし、『生成熱は成分元素の単体から生成するときの反応熱』と定義されているので、必然的に『単体の生成熱=0』となります。

が、ここで明記されている「物質が持つエネルギー」と、「物質の−(生成熱)」がイコールになることは明記されていません。

しかたがって熱化学方程式中の「化学式」に「その物質の−(生成熱)」を代入することは論理の飛躍になります。

しかし明記はされていませんが、教科書のエネルギー図に単体から成る系のエネルギーが0に設定されていることから、暗黙の了解で「単体のエネルギーは0」となっています。

したがって「単体のエネルギー = 単体の−(生成熱) = 0」となります。

すると芋づる式に「物質が持つエネルギー = 物質の−(生成熱)」となり、「化学式」に「その物質の−(生成熱)」を代入することができます。

よって記述式のテストでは、

「単体の生成熱は0になるので、C = 0, O2 = 0 だから...」

「CO2 = −394 kJ」

「よってこれらを式(4)に代入すると」

「Q=5162 kJ」

みたいな感じで書けばたぶんイケます。
(保証はありません!!)

逆に、「標準生成エンタルピー」なんて言葉は使わない方がいいです。

高校の教科書に出てこないし、わからない単語を使って間違えた言葉の使い方をすると減点対象になります。
(採点者は定義を知り尽くしたその道のプロです。)

大学の先生たちは案外甘く丸付けをするので、そんなに心配することはないかもしれません。
(数学ほど細かい論理性は要求されないし。)

少なくとも部分点はもらえるはずです。

あとちなみに、私の聞いてきた感じ、出来るだけ点数をあげる方針で丸付けをすることが多そうなので、最後までわからない問題でも何かわかることだけでも書いてたら部分点もらえることが多いようです。

今年も我が学科の先生たちはハッピーターンを馬鹿食いしながら丸付けと言う流れ作業をこなしていました(笑)







(2013/5/2 こーりんさん投稿)
触媒化学で有名な大学はどこですか?

<回答> 2013/5/20

こーりんさん、こんにちは。

無機系触媒か有機金属系触媒かによりますが、国内外の色んな大学で触媒化学が研究されています。

例えば3年前に日本人にノーベル賞が出て世間的に有名になった「クロスカップリング」を例にとります。

例えばノーベル賞の「Suzuki-Miyaura Coupling」の鈴木先生と宮浦先生は北海道大学。

同じくノーベル賞の「Mizoroki-Heck Reaction」の故・溝呂木先生は東工大。

「Sonogashira Coupling」の薗頭先生は大阪大学(後、大阪市立大学)。

「Kumada-Tamao-Corriu Coupling」の熊田先生と玉尾先生は京大。

「Hiyama Coupling」の檜山先生は東工大(現:京大)。

と言う感じです。

東工大がある種のルーツになってそうですね。

これらの大学には後継者な方々も精力的に研究を行っているでしょう。

総合すると、京大と東工大が強そうです。
(だいたいの分野で京大は強いですが。)







(2013/2/4 ○○権兵衛さん投稿)
拍手コメント;『【分子模型】ボンドが折れて詰まった時の修復法』
瓢箪から駒!!いろいろやってみると思いがけないことがあるもんですね。パチパチパチ!!


<回答> 2013/4/21

○○権兵衛さん、初めまして。

確かに完全に思いがけない結果でした(笑)

最初はいい感じの大きさの穴を開けたかっただけだったんですけど、噛んだドリルを引っこ抜いたら都合良くつるんと抜けたというw

やってみるもんですね〜。







(2013/4/14 charmさん投稿)
突然失礼いたします。
宇治市のとある大学の学食にて、エテン分子ガラスストラップが落ちているのを見つけ、落し物かごに入れましたが、Chemisさんのだったりしませんか?


<回答> 2013/4/21

charmさん、初めまして。

まさか・・・と思って机の上を探したら、ちゃんとありましたMyエチレンガラスストラップ。

でもそもそも宇治市のとある大学には通ってないし、学食で食べたこともないのでそこで落とすわけなかったです^^;

わざわざご報告して頂いて有難う御座います〜。







(2013/2/4 アルシンさん投稿)
拍手コメント;『今日の分子No.81 エタノール』
いつも楽しく読ませてもらっています エタノールで酔う仕組みはわかりましたが アセトアルデヒドが毒性を示すのは何故なんでしょうね?


<回答> 2013/4/21

アルシンさん、初めまして。

拙サイトをご覧いただき有難う御座います。

アセトアルデヒドは反応性に富む低級アルデヒドであり、アミノ基と出会うと容易に脱水縮合を起こします。

CH3CHO + NH2-R → CH3CH=N-R + H2O

このようにしてたんぱく質やDNAと結合し、機能を失わせてしまう「毒性」があるようです。

「二日酔い」は、アセトアルデヒドの毒性に加えて脱水症状や酸バランスの崩れなど、多くの要因が混ざり合った複雑な症状らしいです。







(2013/4/14 芦實さん投稿)
先日はありがとうございます。唐突な質問ですが、シトラール(CH3)2C=CH-CH2-CH2-C(CH3)=CH-CHOをKMnO4で酸化分解した場合、ホルミル基が酸化されてカルボン酸となり、2か所の2重結合が開裂して、
アセトン、4−オキソペンタン酸、蓚酸ができると考えてよいのですか?あるいはできた(?)蓚酸がさらに酸化されてCO2とも思われますが。
(CH3)2C=CH-CH2-CH2-C(CH3)=CH-CHO + 7(O) → (CH3)2CO + CH3-CO-CH2-CH2-COOH + (COOH)2 → (CH3)2CO + CH3-CO-CH2-COOH + 2CO2 + 2H+ + 2e-
と私は考えたのですが。
わかりにくかったらごめんなさい。


<回答> 2013/4/21

芦實さん、こんにちは。

確かに紙の上ではそんなふうに反応するのが妥当でしょうね。

ですがこればっかりはやってみないとわかりません。

十分量の過マンガン酸カリウムを、十分な時間反応させた反応溶液の1H NMRを取ってみると各化合物由来のピークが見えてくると思います。

中途半端な酸化物が残るのを防ぐために過剰量の過マンガン酸カリウムを入れておくのが妥当な気がします。

同時にマススペクトルをとったらだいぶ信憑性が出てきそうですね。







(2013/4/14 佐藤公徳さん投稿)
管理人Chemis(ケミス)様
化学にお詳しく、大変興味を持って拝見させて頂いております。
スライムは会心の出来ですね!
佐藤


<回答> 2013/4/21

佐藤様、初めまして。

拙HPをご覧いただき、有難う御座います。

化学に詳しい・・・と言うか、ただのオタクで御座います(笑)

確かにある意味例のスライムは会心の出来ですね。

あれができたとき腹筋に「会心の一撃」でした(笑)







(2013/4/6 芦實さん投稿)
サリチル酸は、カルボン酸としても、フェノールとしてもエステルを作りますが、ここで思ったのが、"カルボン酸でもあり、フェノールでもあるサリチル酸同士でエステルを作ってもよいのではないか”ということなのですが、いかがでしょうか?
思うに、サリチル酸を無水酢酸などでアセチル化あるいはエステル化する際に、サリチル酸同士も反応してもいいのでは?
また、サリチル酸をとかしたものに硫酸だけくわえて加熱した場合、サリチル酸同士のエステルができるのか?ということなのですが。
一応2分子のカルボキシ基とヒドロキシ基がどちらも結合したジサリチリドについて調べようと思ったのですが、情報が全くと言っていいほどなくて困ってます。


<回答> 2013/4/7

芦實さん、こんにちは。

サリチル酸同士でエステル結合したジサリチリド、なかなかマニアックな化合物ですね。


ジサリチリドの構造

二分子のヒドロキシ酸(分子中にカルボキシル基とヒドロキシ基を有する化合物)が縮合した物質を一般にラクチドと言います。

実はラクチドをヒドロキシ酸同士の縮合で効率的に一発合成するのは案外困難です。

最もよく知られているラクチドは乳酸二分子から生じるジラクチドですが(「ラクチド」という一般名は乳酸から来ています。)、六員環であり熱力学的にも速度論的にも生成が比較的有利なこれでさえ、一発で効率的に合成するのは難しく、まず乳酸数分子が直線的に結合したオリゴ乳酸を合成してからそれを熱分解することでやっと得られます。

したがって、ベンゼン環で主鎖が不自由であり、かつ微妙な大きさである八員環を有するジサリチリドの一発合成は極めて困難であると予想されます。

大学で加入しているScifinder(研究者用の化学データベース)で調べてみたところ、やはりサリチル酸から簡単に合成している例はありませんでした。

しかし効率的にジサリチリドを合成する面白い方法がRSCの論文誌J.C.S. Perkin Iに報告されていたので、ご紹介いたします。[1]


サリチル酸の環状カーボネートであるAにトリエチルアミンN(C2H5)3を反応させるとジサリチリドが生成する。



これはまず、トリエチルアミンが塩基触媒となりAの酸無水物部分を分解しBとなる。

次いで炭酸エステル部位が分解し、脱炭酸して双性イオンCが生じる。
※ ここで不可逆的に脱離する二酸化炭素が逆反応を抑制し、全反応のドライビングフォースになると述べられている。

Cが有するトリエチルアンモニウム基-N(C2H5)3+は極めて優れた脱離基であるため、もう一分子のCと反応してダイマーDが生じる。

同様にDはトリエチルアンモニウム基を有するため、分子内のフェノキシ基から容易に求核置換を受けてジサリチリドが生じる。



・・・というようにテクを使ってやっと合成できます。

なのでアセチル化の副生物で生成したり、サリチル酸同士の簡単な縮合ではほとんど生成しなさそうです。


◎ 参考

[1] "Synthesis of cis-Disalicylide and of Flavones containing a Chromeno-[4,3-b]chromen Nucleus", F. M. Dean et.al. J.C.S. Perkin I. 1972, 2007-2010







(2013/4/5 芦實さん投稿)
拍手コメント;『今日の分子No.36 :アセトアミノフェン』, 『「ガス臭い」は何の匂い? -身近な化学-』, 『ギ酸はフェーリング反応しない(って書いてる)』
風邪引くと実験室のアセトアニリドを服用… 私の化学の先生もなんか似たようなことを冗談交じりで言ってましたねぇ…
筋肉痛になったら実験室に来たらサリチル酸メチルの原液を塗ってあげるとか、胃が痛くなったら(アセチル)サリチル酸飲ませてやるとか。
(カッコが付いてるのはなかったらサリチル酸でガマンしてねという意味…アセチル化してまで飲ます気はどうもないらしい)
封の開いてない試薬瓶のラベルやらが大量に黄ばんでたりするからだれも行きたがらないですけどね。いったい何十年前の試薬や!
///
硫黄恐るべし。窒素(アミン)も大概臭いと思ってましたがその上をいくものがまさかこんなに単純なものだとは!
ちなみに私の化学の師は研究室時代、アミンを使った実験中にハエが飛んでいたのをビーカーで捕まえ、
ハエの大好物トリメチルアミンを1滴ビーカーの中に入れたらハエが死んだとか言って笑ってましたけど…
///
蟻酸がフェーリング反応(しにくいが)するのは知ってましたが、ベンズアルデヒドもする(?)んですね。
その反応条件が知りたいなぁ(笑)。 それとも偶然ってこともあるのかな? 銅鏡反応はびっくり。
そういえば、Wikipediaのフェーリング反応の項に、テトラクロロ金(V)酸を蓚酸とV.C.で還元すると金鏡を生成するとか何とか書いてましたよ。

<回答> 2013/4/7

「実験室のアセトアニリドを服用」ってのは良く聞く化学談ですね。

でも試薬は食品・医薬品用のように重金属検定とかしていないので、口に入れてはいけません!

///

硫黄系化合物の匂いはヤバイです。

ローソン試薬とか、隣の実験室で使っていても耐えがたい匂いがやってきます。

ドリアンの臭い成分も硫黄系の1,1-エタンジチオール(『ドリアンの香り分子たち』)です。

///

ベンズアルデヒドは普通カニッツァロ反応が先行するので、フェーリング反応は陰性となります。

・・・が、よくわからないですが我が友人は陽性になったらしいです。

一気に加熱するとか・・・・?怪しいです(笑)

金鏡反応はキレイでやってみたいですが、ちょっとお金かかりすぎますね。

テトラクロロ白金(II)酸カリウムなら日常的に使ってるから、"白金鏡反応"ちょっとやってみたい(笑)







(2013/2/18 こーりんさん投稿)
先日の二段階中和についての質問なのですが、一応化学IIまでは学習してあるので、化学平衡からのアプローチについても御指導お願いします


<回答> 2013/3/31

こーりんさん、こんにちは。

筆者忙多忙により返信が遅れて申し訳ございません。
(学会行ってました。)

炭酸ナトリウムの二段階中和ですが、数式的な取り扱いはWikipediaの中和滴定曲線の項にわかりやすく解説されています。
(「多価の塩基を1価の酸で滴定」の「弱塩基を強酸で滴定」)

ぜひご参考に。

数式化してグラフを作製すれば明らかに二段階でpHジャンプが起きていることがわかりますね。

先の定性的な見方と、数式的な見方を並列させれば、正確に、効率的に化学が見えてきますね。







(2013/2/12 シンドバッドさん投稿)
企業秘密なところを知りたかったなぁ(>@<)

企業秘密が知りたいゼ
どうか頼みます


<回答> 2013/3/4

シンドバットさん、初めまして。

『梅干しから食塩を取り出す〜探求学習』の「企業秘密」でしょうか?

ん〜、まあいいか。

実は次の手順で食塩を取り出しました。

  1. ガラスカップに種を除いた梅干し(1個, 21 g, 塩分10%, 有限会社岩田食品)を入れ箸でよく潰し、そこへ水50 mlを加えて箸で混ぜてよく溶いた。
  2. このペースト状の梅干しをガーゼを用いて濾し、赤色透明の液体をマグカップに得た。
  3. 得た液体を鍋に移しガスコンロで空焚き状態になるまで加熱した。鍋内部は黒色の「焦げ」で覆われた。
  4. 鍋に少量の水を加えて、生じた焦げを鉄ヘラでそぎ落として溶き、黒濁液体を得た。
  5. 得た液体をコーヒーフィルターを濾紙として用いたステンレス漏斗でろ過し、ペットボトルに木酢様の匂いのする淡黄色透明の液体を得た。
  6. 得た液体を100 mlビーカーに移しガスコンロで加熱して蒸発乾固し、黒色物質の混ざった淡褐色固体を得た。
  7. この固体を水に溶かし濁った褐色液体を得、コーヒーフィルターを濾紙として用いたステンレス漏斗でろ過してペットボトルにわずかに黄色のほぼ無色透明の液体を得た。
  8. 得た液体を100 mlビーカーに移しガスコンロで加熱して蒸発乾固し、白色の固体(0.9 g)を得た。

(4)以降が「企業秘密」です。

ひたすら有機物を焼き切り、濾すという操作の繰り返し。

本来これでは分離は難しいのですが、コーヒーフィルターがいい感じに有機物を吸着してくれたようで、食塩を取り出すことができました。

やってみるもんですねぇ。







(2013/2/4 あーちゃんさん投稿)
拍手コメント;『美しきビスマスの世界』
おひさしぶりです。
ビスマスの構造色、素敵ですね!!
カンブリア紀の古生物が構造色をもっていたかもしれないという話を聞いて以来、構造色にも興味を持つようになりました。
また、ビスマス自体も興味深い性質を持っているんですね!面白かったです。


<回答> 2013/2/12

あーちゃんさん、おひさしぶりです。

ご感想有難う御座います!

現代の生物でもタマムシの虹色や、モルフォ蝶の羽の鮮やかな青はビスマスと同様薄膜干渉型の構造色です。

カンブリア紀から構造色を持つ生物がいたかもしれないという話は知りませんでした。

全く生物は不思議ですね。
(彼らにとっては色として全く意図していなかった結果かもしれませんが。)


金属ビスマスは美しい。

有機ビスマスも素晴らしい・・・

最近友人から研究室の先生にまでビスマスを布教してます 笑。







(2013/1/29, 2/11 芦實さん投稿)
わざわざありがとうございました。
例のHINOという幻の化合物は、俺の友人の「ヒノ」が実は言いだしっぺだったんですが、そいつにそのことを伝えると少し残念そうでした。
//////
拍手コメント;『今日の分子No.77 :ベンザイン』
不安定とかいろんな理由で大切なのに埋もれてしまっている物質って、何か可哀相だね。


<回答> 2013/2/12

芦實さん、こんにちは。

残念ながら"ヒノ"は幻と化してしまいました。

不安定な化合物は、例え生まれ出でることができても一瞬しか存在できないのでカワイソウです。

しかし、ベンザインのように、一瞬しか存在できなくても身の回りの役に立つ物質の重要な中間体になるものもいます。

ベンザインのように、短い人生だったとしても誰かの役に立てる、そんな人間になれれば良いなと思います。

ヒノさんにもそうお伝えください。(ぇ







(2013/1/28 こーりんさん投稿)
追加で質問なんですけど、
下の反応は二つ同時に何故、おきないのですか?
CO32- + H+ → HCO3-
HCO3- + H+ → H2CO3 (→ CO2 + H2O)


<回答> 2013/2/12

こーりんさん、こんにちは。

結論を言いますと、「同時にも起きている」です。

高校化学で言う化学IIの化学平衡というものを習えば数式的にわかるようになるのですが、ここでは定性的にだけ考えてみましょう。

簡単に言うと、CO32-とHCO3-ではH+の貰いやすさが違うのです。

CO32-の方がHCO3-よりH+を受け取る力が強い(=塩基性が強い)です。
(言い方を変えれば、H2CO3の方がHCO3-より強い酸。)

なぜなら単純に考えると、CO32-の方が負電荷が大きくてはH+の正電荷を引っ張る力が強いからです。

CO32-の溶液にH+を足していくと幾らかCO32-とH+が結合し、CO32-とHCO3-の混合溶液になります。

さらにH+を足すと、また幾らかCO32-がH+が結合してHCO3-になります。

ただし、このときHCO3-とH+も反応しますが、CO32-の方がH+と結合しやすいためあまり目立ちません。

さらにH+を足していくと、ほぼ全てのCO32-がH+と結合し、ほぼHCO3-の溶液になります。
(一段階目の中和点。)

ここへさらにH+を足していくと、もうほとんど"敵"がいないので次はHCO3-がH+と結合する反応が目立つようになります。

さらにさらにH+を足していくと、ほとんど全てのHCO3-がH+と結合し、中和が完了します。
(二段階目の中和点。)

と言うことです。

要するに、H+の貰いやすさが違うため、どちらの中和も起こるのですがまず最初はCO32-の中和が目立ち、これが中和され切ってからHCO3-の中和が目立つようになるので二段階中和を起こすわけです。








(2013/1/21,26 こーりんさん投稿)
1. イオン交換樹脂がイオンを交換できる理由は何ですか?
2. 炭酸ナトリウムは何故、二段階中和を起こすのですか?


<回答> 2013/1/28

こーりんさん、こんにちは。

1. イオン交換樹脂がイオンを交換できる理由。

イオン交換樹脂には「陽イオン交換樹脂」と「陰イオン交換樹脂」があります。

前者の例として、ポリスチレンにスルホ基が付いたものがあります。
(他にもカルボキシル基が付いたもの等もあります。交換したい塩によって使い分けます。)

スルホ基に交換したい陽イオンを結合しておけば、流し込む溶液中の陽イオンと交換することができます。

例:塩化カリウム水溶液中のK+をNa+に交換。


陽イオン交換樹脂による交換反応

水溶液中の陽イオンと樹脂中の陽イオンは自由に入れ替わることができるので、上記の例なら樹脂中にNa+が十分たくさんあれば交換できるわけです。

ちなみに、もちろん樹脂を使い続けているとどんどん交換したい陽イオン(上記例ならNa+)が減ってきて使えなくなるので、樹脂を交換するか、上記例なら逆にNaCl水溶液を流し続けて逆反応を起こし元の状態に戻す操作が必要になります。


陰イオン交換樹脂には、例えばポリスチレンに第四級アンモニウムが付いたものがあります。
(他にも、第三級アミノ基が付いたもの等もあります。こちらも使い分けます。)

この場合は、樹脂に交換したい陰イオンを結合しておけば、流し込む水溶液中の陰イオンと交換することができます。

例:臭化ナトリウム水溶液中のBr-をCl-に交換。


陰イオン交換樹脂による交換反応

以上のようにイオン交換樹脂が働きます。


2. 炭酸ナトリウムが二段階中和を起こす理由。

炭酸ナトリウムNa2CO3の塩基として働く部分は炭酸イオンCO32-

炭酸イオンは二価の陰イオンで、下図のように2つのH+と結合することができます。


炭酸イオンは二価の塩基

したがって、

CO32- + H+ → HCO3-

HCO3- + H+ → H2CO3 (→ CO2 + H2O)

という二段階中和を起こします。







(2013/1/23 芦實さん投稿)
いつも楽しく拝見させて頂いてます。
ふと思ったことなのですが、こんなものができたらなんか面白いだろうなぁと思ったのがあるんですが、ムリですかねぇ?

HINO (ヒノ…?)
BrICS
NPO
UNEsCO

などなど…
その場の思いつきなので意味不明な式ですが、実現できそうなものがあったらおもしろいかなぁと思ったので。

↓勝手に想像した「ヒノ」の姿
I I
| |
H-N-O-N-H
あ、これじゃ(HIN)2Oじゃないか!


<回答> 2013/1/28

芦實さん、こんにちは。

拙サイトを楽しんで頂いているようで、光栄です。

さて、世の中にはたくさんの化合物があり、中にはびっくりするような変な組成を持ったものもあります。

・・・が、上記化合物はなかなか難しそうですねぇ・・・

原子価の観点からみると"NPO"ならまだいけるような気がします。

「N≡P=O」という構造を予想してみましょう。

その分子がどんな形か、安定かどうかを見積もる理論的手法として、「分子軌道計算」という量子化学的計算があります。

さっそくこの構造をコンピュータで計算してみましょう。
(使用ソフト:WinMOPAC 3.0)

計算結果は・・・


計算結果:NPOの構造

予想通り直線構造。

ですが、「Heat of formation」(H.O.F:生成熱の逆符号に相当)が-1.45 kcal/molで、単体のときと比べて安定化が小さいので不安定そう。
(H.O.Fだけで判断できるわけじゃないのですが。)

が、真空中に超低濃度であればしばらく存命できそうな気がしないでもないです。
(いや、やっぱり無理かも。。。)


あと、「BrICS」もBrC(I)=Sという構造なら手の数的にはいけるかも・・・ということで同様に計算!

計算結果は・・・


計算結果:BrICSの構造

アセトンのOがSに、2つのHがIとBrに置換された構造(ブロモヨードチオアセトン)。

が、H.O.Fは62.5 kcal/molで、かなり不安定。

もし生成したとしてもすぐに分解してしまいそうです。



さて、最後に"(HIN)2O"を計算してみましょう。

こいつも手の数的にはいけそうな気がします。

では、適当に次のような構造を予想し、初期構造として与えてみましょう。


(HIN)2Oの初期構造

そして、計算開始!!

すると・・・


計算結果:(HIN)2Oの構造?

あー・・・分解しちゃった・・・

残念ながら無理のある構造のようです。

基本的にN-I結合はかなり不安定で、例えば三ヨウ化窒素NI3という化合物もすぐに分解してしまうようです。

ありそうな構造でもなかなか実現は難しい。

化学って難しい!







(2013/1/17, 18 あ さん投稿)
拍手コメント;『pKaとは? 〜ヘンダーソン-ハッセルバルヒの式〜 』, 『分子のカタチ』
自由研究にとても役に立ちます。 有難うございます。
//////
私がいえませんが、すばらしいです。
拍手をもっともっとしたいぐらいです。
まだ、小学生なので詳しいことは、分かりませんが、将来調べてみたいです。
おもしろかったのは、HCHO(ホルマリン)です。
なぜ、HCHOという名前なのだろうと思いましたが、H(水素)とC(炭素)とO(酸素)が混じっているからだと分かりました。
分からなかった自分が、とても軽率だったなと感じました。
長くなりましたが、このホームページがとても役に立ちました。
これからも、続けてください。


<回答> 2013/1/20

あ さん、初めまして!

気に入って下さったみたいで、ありがとうございます!

H(水素)、O(酸素)、C(炭素)のようなアルファベットの記号を元素記号といい、元素の種類を表しています。

そして元素記号を組み合わせた「HCHO」(ホルムアルデヒド)のようなものを化学式といい、その物質がどんな元素何個から出来ているかを表しています。

HCHOなら、H(水素)が2つ、C(炭素)が1つ、O(酸素)が1つから出来ているということです。

このルールがわかれば、化学式を見ればどんな物質かわかるようになります。


まだ小学生さんなのに化学に興味を持ってくれていて、すごいと思います。

まだわからない内容もたくさんあると思いますが、中学生になればかなり習います。

習ったらまたじっくり読み返してみてください。

もっと内容がよくわかって、新しい発見があるはずです。

私も色んな人に対して、もっとわかりやすいように記事を書いていくつもりです。

これからもよろしくお願いします!







(2013/1/6 ごりえさん投稿)
こんにちは!
アセチルサリチル酸は、Fe3+による呈色もほぼなく(吸光光度計による確認ずみ)、概ね満足のいく結果となりました!
ありがとうございます。後は、収率を求めていく予定です。
思い返せば最初の方は、だいぶ雑に実験をしていたかもしれません(--;)
ガサツな性格が出てしまっていたかも、、、

ちなみにこの実験は後輩の目標である、柳からアスピリンを作る というテーマに付き合わされて行いました。
あと、改めて言うのもあれですが、自分は高校の化学部に所属しています。
とはいえ、来年度は受験生なので引退の時期が近づいてきていますが…

今後も化学の事を質問するかもしれませんがもし暇がありましたらよろしくお願いします!
サイトのほうも物凄く面白いです!
反応機構を通じて、何故そうなるのか?を理解するのは高校化学には無い概念でとても楽しいですね。
今まで見てきたサイトの中で、ここが一番好きです(^^)
今まで大学で物理学科か化学科かでずっと悩んでいたのですが、ケミスさんのおかげで化学一本にしぼることができました。
ありがとうございます!


<回答> 2013/1/6

ごりえさん、明けましておめでとう御座います。

うまくいったみたいで良かったです!

合成の収率や純度は案外スキルなところが大きいので、何回も丁寧に合成して練習して見て下さい。

ちなみに私はいつも、フラスコを真空に引いた状態でヒートガンで加熱してドライップした後、内部を窒素で満たし、そこへ試薬を入れて窒素フロー下で反応してます。


柳からアスピリンを作るとは、なかなか難しそうなことに挑戦してるんですね。

サリチル酸をいかに単離するかがポイントになってきそうですね。

・・・っと、高校なのに吸光光度計あるんですか!

なかなか色んな事が出来そうですね。

部活ができる時間はもう残り少ないでしょうが、最後まで一生懸命やりきってください!


興味を見つけるお手伝いになったのなら幸いです。

目標はバシッと決まってる方が受験勉強もやる気が起きますしね。
(私の場合は中学生の頃から一刻も早く化学科の大学生になって研究したいと思っていたので、進路の悩みは無かったんですが。
夢が叶って今や泊まり込み実験フィーバーな毎日です。)


やはり自然科学というものは因果応報、原因があって結果がある。

メカニズムというその道筋を辿らなければ、化学反応でも力学運動でも生物進化でもただの暗記、面白くない。

原子同士の衝突、電子の移動、立体構造…原子・分子とその反応を支配する理を追求するのが化学である。

拙サイトを気に入ってくれたのなら幸いです。

有難う御座います。

化学にも色んな分野がありますが、出来るだけ色んな分野について書こうと思っています。
(カテゴリーごとに記事を探すには『カテゴリ別記事一覧ページ』が便利です。)

ご意見・ご質問はお気軽に。

Twitterもやっているので、もしアカウントをお持ちでしたらお気軽に話しかけて下さい。
(最近、対話ならTwitterが便利だと痛感してます。)


部活も受験勉強も頑張ってください!

人生においても大切な1年間です!









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